
先日,Sandra Fang先生の陰ヨガ指導者養成講座の中で,
マインドフルネスを担当させてもらいました
陰ヨガは,道教の陰陽五行論をベースに,
一つのポーズをじっくりとキープして,経絡の氣の流れを整える静的なヨガです
身体的視点では,
陽ヨガが主体的に筋肉を動かして,心身の状態を発達・向上させることに対して,
陰ヨガでは,結合組織(靭帯,腱,関節など)の緊張を緩和し,
筋肉のさらに奥側の柔軟性を取り戻すことに重点を置いています
静かにポーズを長くキープする中で,内観していく陰ヨガでは,
マインドフルネス瞑想の方法論や実践指導力も重要になってくるので,
参加者のみなさん,とても熱心に取り組んでくださって,共に学び合える時間になりました

今回のマインドフルネス講座では,
◯マインドフルネス概論
◯呼吸瞑想と陰ヨガ(ニードル)の内観との比較
◯グラウンディング瞑想
◯動く瞑想
◯慈悲の瞑想
こんな流れでした

ニードルと呼吸瞑想の違いを体験するシーン
みなさん,普段からヨガを指導されているだけに,
それぞれ感じたことを表現してシェアするのがとてもお上手で,
「うん,うん」「わかるー」
って共感し合える時間がたくさんで,
なんて癒しの時空間なのか!と思いました
今回とても大切な気づきがあって,
慈悲の瞑想で心の扉が開いてしまって困惑する,つらさを再体験する場合にどうするか
これはよく聞く問いなんですが,慎重に扱うべき課題なのです
慈悲の瞑想は,仏教瞑想(ピュア・マインドフルネス)では四苦八苦に直面する全ての人間は,
みんなが公平で,だからこそ同じく懸命に生きる人間同士,思いやりを持って,平穏に支え合う
そうした精神の中で自然と人間から生きとし生ける存在を慈しむ気持ちが湧いてくることを目指します
なので,慈悲の瞑想では,身近な存在,好悪の垣根を超えて,あらゆる存在の平穏を願います
しかし,だからこそ,好ましくない存在について直面してしまい,
苦しい気持ちが再体験されることがあります
ここには,指導者側の高度なスキルと配慮の必要性が示唆されています
特に,マインドフルネスの指導においては,そのビジネス活用の隆盛から,
適切な指導と実践がなされていない実情があり,
学術研究においても,指導者側の倫理について警鐘が鳴らされています
マインドフルネスをはじめとした瞑想は,
心の筋トレであると同時に,心の手術でもあります。
ヴィパッサナー瞑想の指導では,明言され,
そのリスク管理についても,説明と注意がされます
ヨガの指導に解剖学的な知見からの怪我のリスク管理が不可欠であるのと同じく,
心理学的知見を持って指導にあたることは,とても重要です
何より,指導者側に,心を扱うことのリスクを正しく認識する力と対処する力があること,
それが一番大切です