monkey mindとの良きかかわり

みなさんの心は,いま,どのような様子でしょうか?

落ち着いている,穏やか,静か,

生き生きしているにぎやか,活発に動き回っている,

もやもやする,ざわざわする,乾いている

それぞれ,いろいろなことを感じるかと思います

心は,無常で,多様で,その状態を一瞬でも明確につかむことは至難のわざです

”Monkey mind”

テーラワーダ系瞑想者らがそう表現したように,

野性のサルが木から木へ飛び回るように,心はとめどなく移り変わります

ひとところにとどまらず,とても活発で,慌たゞしいです

ふだん,わたしたちは,そんな心の性質に慣れていて,あまり気に留めないので,

心は気ままにしています

あれこれと自然な流れにように,思考や感情が流れています

心理学の領域では,反芻思考,自動思考と呼ばれます

言わば,自動車のアイドリング状態のように,自動で思考を動かしている状態で,

この働きには,脳のDefault Mode Networking(DMN)という機能が関わっています

DMNは,「内側前頭前野」「後帯状皮質」「楔前部(けつぜんぶ)」「下頭頂小葉」で構成される神経回路が活性化している状態のことで,いわば「自動車のアイドリング状態」のように,ぼんやりと一定の考えや記憶などが頭に浮かんで,巡っている状態です

わたしたちの体感としては,自然と考えや感情が湧いてきているように思えるわけで,それらの内容に大きな問題はがなければ良いのですが,

この反芻思考の中に,嫌だな,不快だなと感じるような,

ネガティブな内容が入り込むと,それらがぐるぐると心を駆け巡り続けます

こうしてネガティブな記憶や感情にとらわれ,翻弄されると,

すでに過ぎ去った出来事の記憶でも再び直面したかのように感じてまた傷ついたり(再体験),

今まさに生じたかのように怒りや悲しみが湧き上がってきたりと,

つらいことなのに,離れるどころか,心の中で繰り返し体験して,傷を深掘りする羽目になってしまいます

とはいえ,monkey mindは,やっかいなことばかりするわけではありません

通常,monkey mindは,「いま,ここ」で自分がアクセスしやすい心の要素を引っ張り出してくるので,自分が気になっていること,意識的にも潜在的にも,大事だとか重要だと感じていることをあらためて自覚する体験にできます

つまり,「いま,ここ」の自分の思考・感情を認識し,自己理解を深める機会となります

Monkeyはとても気まま,活発なので,手綱をつけて,ひとところにとどまらせるのはできませんし,自由な動きこそが創造性につながるので,

わたしたちが鷹揚に構えて,うまく付き合っていくのが良きです