
何かにはじめて取り組んだときの記憶は鮮明なものです。
みなさんは、ご自身が初めてヨガをした時のことを覚えていますか。
私はとてもはっきり覚えています。結構インパクトのある経験でしたw
学生時代から旅行をすることが好きなんですが、
ヨガとの出会いはカンボジアのシェムリアップという町でした。
滞在していたホテルにフィットネス・ジムがあって、そこで無料でヨガレッスンを受けられるからやってみたら?ってホテルスタッフにすすめられたので、文字どおり、軽い気持ちで申し込みました。
当時の私は、ランニングに取り組んでいて、マラソン大会への参加を楽しみに日々ランニングするような、一般的な市民ランナーで、シェムリアップでもランニングしていました。高温多湿で、旅行中の疲れを無視してランニングするという妙な行動をして、ふらついて半日ダウンしました。猪突猛進型によくある自滅型の行動傾向ですねw それはそれで、外国ランニングの印象的な思い出ですw
ホテルのヨガ環境は、それはそれは、ウッドデッキ調の素敵なスタジオで、ヨガマットもプロップスも豊富にそろっていて、今思えば、ものすごく恵まれていました。

さて、ヨガレッスンの時間になり、いざスタジオに行ってみると、自分よりも背の高い、しっかりした体格の金髪をひとくくりにした格好良い佇まいの外国人女性が1人だけ。他にはだれもおらず・・・
”Hello.! I am in charge of today’s lesson. Have you ever done yoga?”
(こんにちは!今日のレッスンを担当するわ。ヨガやったことある?)
いろいろ話をすると、ノルウェー出身のヨガの先生で、シェムリアップでヨガレッスンを1日何本も掛け持ちして、たまに自分もヨガレッスンを受けて、しばらく滞在しているのだとか。
その時は、まったく別世界の生き方をしているように感じ、その颯爽と楽しそうに今の暮らしを語る先生の姿に圧倒されました。
そして、レッスンが始まると・・・
今思い起こしても、なかなかハードなレッスンだったように思います。
立位が多く、パワーヨガ系のシークエンスが大部分を占めていて、「ローランジ→ハイランジ→ハーフ・ハヌマーン」を何度も繰り返したのを覚えています。当時のストレッチをきちんとしていなかった私の身体は、ハムストリングスが固まりすぎていて、ブロックを使ってもハーフ・ハヌマーンが苦しかったわけですが、そもそもブロックの使い方が分からないし、英語で細かく質問するのは大変だしと、いろんな思いが渦巻いて、まさにマインドレスネス過ぎる心持ち。
そして、先生からは、
“Tak! Bend your legs like this!” (タック!こんな感じに脚を曲げて!)
“Hey Tak! Try pulling it in a little more!” (へい、タック!もう少し脚を引き込んでみて!)
“O.K.! You can always do more!” (オッケー!必ずできるから大丈夫!)
熱血なインストラクションと励ましをたくさんもらって、訳が分からない心の状態ながらも、なんだか頑張れるという気持ちだったのをよく覚えています!
ただ、私がヨガを本格的に始めたのは、それから何年も後のことで、そのレッスン直後は、
「めっちゃしんどかった。」、「ヨガって難しいな。」、「なんであんな動きできるんやろ。自分には無理やー。」
という感想にとどまって、ランニングに戻るという顛末になりました。
でも、このヨガレッスンの記憶にはとても思い入れがあって、ヨガと出会うべくして出会う、結構前につながって、本当に必要なときにヨガを始めることができたのだと思っています。
ヨガの縁、ヨガの輪、不思議だけど、必要にして必然につながる。
まさにyogaの原義「馬車の横木」(つなげるもの)どおりだなあと、このエピソードを思い出しても実感します。